最近はシーズンレスのファッションが増え、年間を通して肌を露出することが多くなっています。そこで気になってくるのがワキガや多汗症です。スキンケアのようにホームケアではなかなか防ぎきれないワキガや多汗症の悩みに効果的なのは、やはり専門医による治療です。クリニックではさまざまな治療が行われますが、注射1本の手軽さが魅力の「ボトックス注射」、悩みのもとを取り除く「剪除法」が現在では主流となっています。
ここでは、それぞれのメリット・デメリットを紹介します。
□ワキガ・多汗症とは?
ワキガは、医学的には「腋臭症(えきしゅうしょう)」と呼ばれます。ワキにはアポクリン汗腺とエクリン汗腺という汗を出す組織があり、ワキガにはアポクリン汗腺が大きく関係しています。アポクリン汗腺から出る汗そのものに臭いはないのですが、皮膚上の細菌によって分解されることで臭いが生じ、さらに、エクリン汗腺から出た汗や、皮脂腺から分泌された皮脂、皮膚に残った老廃物などと混ざり合って、より強い臭いとなってしまうのです。ワキガになる人はアポクリン汗腺の数が多く、これは遺伝的な要因が大きいとされています。
一方、多汗症の原因はエクリン汗腺にあります。エクリン汗腺は全身にあり、体温を調節する働きをしています。通常は体温が上昇すると適度な量の汗が出て、汗の気化熱で体温を下げるのですが、必要以上に汗が出てしまう症状を多汗症と呼びます。全身に症状が現れる「全身性多汗症」、手のひらや足の裏、背中、ワキの下などの特定の部分にだけ症状が現れる「局所性多汗症」などが代表的です。エクリン汗腺から出る汗は、ほとんどが水分なので色やニオイはありませんから、多汗症=ワキガとはいえません。しかし、エクリン汗腺からの汗によって、アポクリン汗腺から出た汗の分解も進むことから、ワキガの人の多くに多汗症がみられるといわれています。
メスを使わないワキガや多汗症の治療として多くのクリニックで行われているボトックス注射は、ボツリヌス菌から抽出したタンパク質の一種であるボトックスを注入することで、アポクリン汗腺、エクリン汗腺の働きを抑える治療です。ボトックスには「筋肉の動きを麻痺させる」という働きがあり、一般医療の現場でも筋肉の痙攣の治療薬として使われています。
ボトックスはワキガや多汗症の症状が比較的軽く、「露出の多い春から夏の間だけなんとかしたい」というような、期間限定で症状を抑えるのに適しています。また、繰り返し施術を行うことで、アポクリン汗腺やエクリン汗腺が次第に萎縮し、効果の持続時間が長くなるといわれています。
ワキに注射を打つだけなので施術時間も10分程度と短く、傷跡もほとんど残りません。稀に内出血を起こすこともありますが、1週間程度でおさまります。効果の持続期間は症状によって変わりますが、一般的に6ヵ月~1年とされています。
メスを使って切開する剪除法に比べて手軽に行え、安全性が高いとされるボトックス注射ですが、注射の際に痛みを感じることや稀に内出血を起こすことがあります。ほかにも、アレルギー反応が現れたり、細菌に感染してしまったりするリスクも考えられます。
またボトックス注射は、効果が現れるまでに1〜10日程度の時間がかかり、半永久的に持続するわけではないので、効果を持続させるためには定期的な施術が必要です。
ボトックス注射のメリット | ボトックス注射のデメリット |
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・メスを使わない ・痛みがほとんどない ・傷跡が目立たない ・施術時間が短い ・ダウンタイムが短い ・比較的施術費が安い |
・効果が現れるまで数日かかる ・効果を持続させるためには定期的な施術が必要 ・稀に内出血を起こすことがある ・稀にアレルギー反応が現れることがある ・稀に感染症を起こすことがある |
剪除法は、メスでワキを3〜4センチ程度の切開し、皮膚をひっくり返してアポクリン汗腺をひとつひとつ取り除いていく方法です。重度のワキガの人に向いていて、医師が目で確認しながらアポクリン汗腺を取り除くため、再発のリスクが低い施術です。
施術時間は1~2時間程度で、約90〜95%アポクリン汗腺を取り除くことができます。メスで切開する施術ですが、局所麻酔を使うため施術時に痛みを感じることはありません。施術後はサボーターやバンテージなどで患部を固定するため、数日〜1週間程度は腕が上げにくいなど日常生活に不便なこともありますが、2~3週間程度でおさまり、傷も少しずつ薄くなっていきます。
剪除法は、ワキガの治療で唯一健康保険が適用される手術ですが、保健医療指定機関以外での施術や、決められた施術方法以外の特殊な技術や機器などで行うと自費診療になるので、あらかじめクリニックに確認するようにしましょう。
剪除法は、ワキガの根本治療が行える施術ですが、メスで切開するため腫れや内出血が起こりがちなうえ、どうしても傷跡が残ってしまいます。また、剪除法は、医師が目で確認しながら汗腺を取り除いて行くため、医師の技術の程度によっては汗腺が残ってしまい、再発することもあります。さらに、肌が引っ張られる、傷口が歪むといったリスクも考えられます。
剪除法のメリット | 剪除法のデメリット |
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・半永久的に効果が持続する ・重度のワキガ・多汗症に効果的 ・即効性がある ・保健医療指定機関であれば健康保険が適用される |
・傷が残る ・腫れや内出血が起こることがある ・汗腺が取りきれなかった場合は再発することがある ・ダウンタイムが長い ・医師の技術に左右される |
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